運気を呼び込む “気の流れを整える” 住まいづくり
気とは目に見えないが情報を持つエネルギー
「なんとなく落ち着かない」「疲れが取れない」…そんな日々の不調の原因は、目に見えない“気”の乱れかもしれません。
古くから東洋医学や風水では、「気」は心と体、空間すべてをつなぐ重要な存在とされてきました。
私たちが暮らす住環境にも“気”が流れており、その流れがスムーズで整っているほど、心身ともに健やかに、そして運気も自然と巡ってくると考えられています。
本ブログでは、「気とは何か」から始まり、「脳や感情との関係性」「住まいがもたらす影響」まで、風水や五行の視点を交えながら、暮らしと運を整えるヒントをひも解き、住まいのコンサルタントが詳しく解説いたします。
気とは
「気」は肉眼では見えず、耳では聞こえないが、情報を持ったエネルギーで感じることは出来ます。「気」は宇宙に生命体が生まれる前からありました。
自然界の万物が育っていく生命エネルギーでエネルギーの現象の事と考えます。
人間は自然界と同じように構成されて、常に自然界より影響を受けて生きています。
自然界と調和をし、気を高め、気を集め、気の流れを良くして、その場に自分を置きそれを生かす事により運気を導くことができます。
例えば、人体の中には生命エネルギーとしての気が流れ、人の心と体をつないでいます。
また、気が流れるのは、人体にかぎりません。気は共鳴し合いながら、土地、住まい、ものなど、あらゆるところに流れています。
それは、人と人とをつなぎ、場所やものと人をつなぐ役割も果たしています。
神社仏閣を訪れると清々しい気分になるのは、場にいい気が満ち、スムーズに流れ、自分の気も活性化されたからです。

体の中の気の流れは、体の外の気の流れに影響されます。
取り入れた気(=環境情報)は脳を経て、心や体に作用するのです。
運のよし悪しも、気の流れと深い関係があります。
明らかに運が悪いときは、全体的に気が停滞していたり、悪い気の影響を受けたりしています。
運がいいときは、いい気がスムーズに循環しているのです。
気は風に乗れば散らばり
水にへだてられれば止まる
古人はこれを集めて散ぜしめず
これを行いて止めるあり
ゆえに、これを風水という
これは、中国・晋時代の風水学者、郭璞が著した「葬書」の一節です。
気は風水の基本であり、気をつかむ事が幸運をつかむことです。
気は風に乗って動き、流れは高い方から低い方へ、高い山や高い建物などの障害物によって流れが変わり、水によって留まります。
このため砂漠や砂地、埋立地では気が少ないのです。
気の少ないところでは、人間は活力がみなぎらず、植物もよく育ちません。
江戸城は、天台宗の天海僧正が徳川家康の命により風水によって土地を選定して、気の集まる場所を探し鑑定をしたのです。
気が噴出(龍穴)している地点に築城をして、徳川家は260年の繁栄を得たのです。
しかし、建物を増築したり、移動をすると太極点は動いて気の流れは変わります。また地面を掘ったり、周囲に高い建物が建ったりすると気の流れは変わります。
屋外を流れる大地の気のエネルギーは、地の気(体の安定性、重い)でラセン状に右回り(放出)、左回り(吸収)に回転しながら緩やかにカーブを描きながら移動していくと考えられます。
太陽のエネルギー、月のエネルギーなどは、天の気(方向性を表す、軽い)の一種です。天の気はラセン状に右回り(吸収)左回り(放出)となり、移動する時は変化してすっと消えます。
人間は、天と地があって生命が存在し、地の気と天の気の間にいるから両方が合わさって人の気(魂の向上を呼び覚ます)が出来ると考えます。
地の気が人間に入るところは、足の裏の湧泉や会陰、天の気は、主に百会(頭頂)から、もちろん鼻、口、皮膚からも出入りします。
成功運の気は胸椎の第5番目あたりから出入りします。人の気は丸い輪を描いてその方の周辺に見えます。
人の気には、生命が誕生した時からの先祖や親から受け継いできた先天の気、自分が生れてから生命維持のために使っていく、太陽エネルギー、月のエネルギー、環境、飲食物、呼吸から取り入れていく後天の気とあります。
気も生まれと育ちがあり、生まれたばかりの気はみな良い気なのです。
赤ちゃんの気は青くもやもやしていて、やがて集まって太い気に変化していきます。
良い気のまま太らせるには、風水の良い気の場、風水の整った良い住環境を創り、良い気を呼び込む行動をして、強く良い気を送り出す人から気を頂くことです。
方法はいろいろあります。
気功は体の中を目覚めさせる力があり、良い気を呼び込みます。
家が暗い色、整理整頓されず物が多く散らかっていると邪気に代わります。だらしのない格好でいると気が乱れ、飾ってある物ネクタイが曲がっていても気はゆがみます。
きれいな景色を観て、明るい住まいで楽しく暮らし、いつもおしゃれに生活をしていると気の状態もハイになり元気になります。
世の中には運の良い方と、運の悪い方がいます。
運の良い方は、邪気を払い、良い気の流れている場所(環境)、良い気が入る家に住み、良い気を引き入れ運をつかみます。
運の良い方と出会い気を高め、体も心も財も健康で他人にも家族にも優しく利他心を持って接して、他の方のために祈ることをしています。
運の悪い方は、その逆の事をしています。
気の流れが脳を健康にする
私たちはよく「気持ちがいい」とか「気持ちが悪い」、「気分がいい」という表現をします。
「なんとなくここにいるのは居心地が悪い」、「気まずい」と言ったり感じたりします。これらはすべて日々の暮らしの中で無意識のうちに「気」を感じて生活し、影響を受けているから起こることなのです。
「気持ち」の「気」という字には「気分」「気ごころ」「気前」「気質」「勇気」などいろいろな単語がありますが、すべて人間の感情と結びついています。
気のつく言葉
天地の自然現象、大気、天気、気圧、気温、湿気、空気、気体、外気,冷気、地磁気など。
心身の活動状態、生気、気力、元気、勇気、やる気、根気、強気、弱気、病気、気絶など。
状態を表す言葉、気が付く、気が利く、気を配る、気を回す、気持ちいい、気に掛ける、気が若い、気を入れる、気が進まない、気を落とす、気に病む、気の病、気が晴れるなど。
何か特有の様子、運気、気配、景気、霊気、陽気、陰気、妖気、邪気、殺気、雰囲気など。
まだ沢山の言葉がありますが、多くの人々は、日常生活の中で気を無意識に感じ生活をして、気の影響を受けています。
人間の行動はすべて脳が発令していますので、その脳を活性化し、良い気を受け感情を昂揚し、良い行動を引き出し、健康な状態に保つためには気の流れをよくすることが大切です。
気には天の気、地の気、人の気という3つの気がありますが、それぞれの気の流れがどうなっているかは人間の脳に大きな影響を与えています。
具体的には、家を構成するもので気の流れに関わるものには、色、音、光、素材、間取りなどがあります。
「気」は心と体をつなぐもの
心と体をつなぐもの、それが「気」です。気が活性化すれば体は活性化し、精神活動も活発にします。
東洋医学において中心的な概念が気
東洋医学において中心的な概念が「気」です。
気の状態が心と身体の状態を決定しています。
すなわち気が整えば心身は整い、気が乱れれば、心身は乱れます。
心と身体をつなぐもの、それが「気」です。
気が活性化すれば身体は活性化し、精神活動も活発にします。
気は、「怒り」に激化し、「悲しみ」に衰え、「恐怖」に沈み、「冷たさ」に縮み、「熱さ」で逃げ、「驚き」に混乱し、「喜び」に和らぎ、「楽しさ」に踊る、といった性質を有しています。
疲れると気は消耗し、考えすぎるとつまるのです。
気を整えることは、心に豊かさをもたらし、心身共に健康になり、経済的な力を持つことを可能にします。
それは、真の意味での「健康」すなわち、身体的・精神的・社会的に健全な状態を実現するための必須条件です。
環境の影響を「気」という観点から整理・体系化した技術が「風水環境科学」です。
気の陰陽と虚実
自然現象と二つの性質の力、その二つの性質を「陰」と「陽」と名づけました。
気にも陰と陽の二面があります。動的なもの・積極的なものが陽で、静的なもの・消極的なものを陰と捉えます。
例えば、男性は陽、女性は陰、昼は陽、夜は陰、夏は陽、冬は陰などとなります。
病状に関していえば、慢性が陰、急性が陽、機能低下が陰、機能亢進が陽、身体の内部の病状は陰、身体の表層の病状は陽などと見ます。
人間はこの陰陽二気の結合によって病気が起こります。陰と陽の調和がとれた上体が好ましいと考えます。
陰陽の区分とは別に、気には虚実というものがあります。虚とは字の通り虚ろな状態、実とは充実した状態のことです。
不足が虚で過剰が実、弛緩状態が虚で緊張状態が実といえます。
これも虚実のどちらにも偏らない中庸がよい。過食も絶食も身体に良くないのとおなじようなことです。
家の中を流れる気を捉える

人間の体内には気が流れていますが、家の中にも気が流れているのです。
気は人間の身体・家・大地に流れているもので、これらをしっかりと捉えることが運を開いていく上で非常に重要です。
気を有効に活用できないために、さまざまな困難に遭遇しやすくなります。家の中を流れる気を捉えることは、会社や家庭での困難を避け、幸運と財運を呼び込むために必要なことです。
気には天の気、地の気、人の気という3種類があります。
天の気は、空から流れてくる気で、住宅で見た場合「宅気(たくき)」といいます。
宅気には、生気、天医、延年、伏位、絶命、五鬼、六殺、禍害という8つの気があり、これらの一つひとつが「宅気場」を形成しています。
地の気は、大地を走ってくる気のことで、風水では「太極気(たいきょくき)」と呼ばれているものです。
太極気には旺気、生気、洩気、死気、殺気というという5つの気があり、これが「太極気場」を形成しています。
人の気は、人間が生まれながらにして持っている気のことで、この個人が持っている気を「本命気(ほんめいき)」と呼んでいます。
本命気にも「宅気」と同じ、生気、天医、延年、伏位、絶命、五鬼、六殺、禍害と呼ぶ8つの気があり、それぞれが「本命気場」を形成しています。
地の気は家の中心である太極点から噴き出てきますが、その太極点が形成する大地のエネルギー場を「太極気場」と呼びます。
太極気には5つの気場があり、それが家の中にどう流れていくのかが、住む人の健康や人生に大きな影響を与えます。
土地そのものは良い気を集める条件を備えていても、家の中が良い状態でないと、良い気が家の中を流れるのを邪魔してしまいます。良い気を捉えるために、家を建てる場合は動線を最優先事項のひとつにします。
たとえ賃貸マンションですでに間取りが決められていたとしても、動線を変えることで良い気は入りやすくなります。家具の配置などを工夫することでも変えることができます。家具の素材や色選びも気の流れをよくするための要素のひとつです。
そして、良い気を取り込む上で最も大事なことは「整理・整頓、清潔」です。
家の中を整理、整頓、清潔にしていなければ、どんなに風水上良い設計であっても、家の中を流れる良い気を捉えて幸せになることはできません。

土地の状態、周囲の環境、住宅や家具の素材、色、香り、音、間取り、人の動き、そしてそこが整理され清潔な状態であること、つまり場を整えることが良い気を捉えるための第一歩です。
太極気
旺気(おうき)
住宅の中で最も強いエネルギーを出す気場です。
「旺」とは、「さかんな、にぎやかな」という意味を持っていて、財運や発展運をもたらす大地の気がある場所という意味で非常に良い気です。
この旺気は、家の中で最も強い気が集まる場所なので、家族が集まるリビングルームや書斎、玄関、寝室などに向いています。旺気場にいると、強いエネルギーを持つことができます。
生気(せいき)
「生気がある、生気がない」 という表現もあるように、活気、エネルギー、積極性と関わりのある気です。
この場所にいることで、職場や学校でやる気が起きたり積極的になることができ、物事を前向きに考えたり、行動することができます。
これから積極的に勉強しようとする子供部屋などに向いています。会社では、社長のデスクがこの生気場にあると会社の発展と財運に恵まれます。
洩気(ろうき)
あまりパワーはないですが、決して悪い気ではありません。安定と責任を与える気なので、責任感のない人はこの洩気エネルギーの場所にいれば責任感が出てくると言われています。
死気(しき)
人間から活気を奪っていくのが死気です。守りに入り積極性を持てなくなったり、チャンスを失うことが多いと言われています。
仕事でも、勉強でも、死気の場所にいるだけで、その方からエネルギーが失われていきます。
ただし、死気の場を整えることで財気に変えることができます。その方法として、水晶玉や水、観葉植物、灯を置きます。
香港などではよくオフィスや家庭に水槽があり、金魚を飼っていますが、多くはそれは死気の場所にあります。
水槽を置く場合には水をきれいにしておくこと、常に流れている状態にすること、清潔なこと、光(照明)を当てることが大切です。
水槽や水が汚れていれば、効果はありません。また、観葉植物を置いておくことも有効です。
悪い気場なので、観葉植物は比較的早く枯れてしまいますが、それは死気の力によって気が奪われるから、と言われています。

また、死気を取りのぞくには神仏を祀るのも良いとされています。
会社でも自宅でも死気にあたる場所には神棚を置くとよいでしょう。
そこにロウソクを置いて灯すと死気を燃やすことができます。インテリアとしてキャンドルを灯すのも効果があります。
殺気(さっき)
人間関係を悪くしたり、金銭トラブルが発生しやすいのが殺気です。
殺気の場所に寝室があれば、毎晩そこに寝ているだけで金銭トラブルに巻き込まれていきますので要注意です。
ただし、殺気の場所をキッチンや浴室、トイレに使用すると、殺気エネルギーを外に流してしまうので、良いとされています。
また、台所であればガスコンロなどを置いて悪い殺気を焼いてしまうことも良い方法です。
生まれつき持っている本命気
風水は住む方の本命気によって異なってきます。
住む方によって良い家というのは違うということです。
人と人に相性があるように、家と人にも相性があると考えるとわかりやすいかもしれません。
こうしたことを重視する風水は、家相と違って、すべての方にとって一定のものではありませんので、個別に鑑定しなければ意味がないのです。
家族それぞれ良い場所は異なりますので、長男にとっては北側にある部屋が良くても、次男には良いとは言えずに、次男にとっては東側の部屋が良い、ということがあります。
ご主人は南側の寝室で寝るのが良いが、奥さんが同じ寝室で寝ると落ち着かず、仕事がうまくいかない、ということもあります。
このように住む方によって、また部屋の使用目的によっても善し悪しは違ってきます。
家との相性は、住む方の生まれ年でみていくことができます。どの位置の部屋が誰に良く、どんな目的に向くかなど、細かく鑑定することができます。
家を建てて家族で住む場合には、家族全員の生年月日を調べて、それぞれに合った本命気の吉方位の部屋を寝室にし、家族全員にとって風水の良いところを玄関やリビングルームにするなどの工夫を、設計の段階からしていくと家族全員にとって良い家になります。
本命気と呼ばれる人の気は、人間が生まれながらにして持っている気です。
本人が生まれ持った気を十分に生かせるような部屋で成長できれば、存分に力を発揮でき、将来的には財運にも恵まれるのです。
人間が生まれながらにして持っている「本命気」は、脳が記憶していて、変えることができない生年月日に基づいて決まっています。自分だけの気を存分に生かすことで運を開くことができるのです。
本命気場
生気(せいき、最大吉)
最も生命力を高める気場で、活動的なエネルギーと創造性に満ちている非常に良い本命気場です。
無気力な方や、元気のない方、やる気のない方はこの気場にいることで最大に良い気を取り入れることができ、ドーパミンの分泌を増やすことができます。身体も健康になるでしょう。
寝室が生気であったら、パワーアップし、玄関ならば脳を活性化させて潜在能力を発揮できる働きがあります。書斎や子供部屋ならば、学習効果が高まります。
しかし、ガスレンジ、トイレ、バスルーム、収納庫、キッチンが生気だった場合は、逆にエネルギーを奪ってしまうので要注意です。
また、病人にはこの気場は、病気のパワーがアップしてしまう可能性があるので適しません。
オフィスや会社の場合は、生気に玄関があれば、活動力が高まり営業成績や業績が良くなるでしょう。
天医(てんい、大吉)
天医という名称からもわかるように、癒しの効果があります。
身体の疲れや精神的な乱れを整える力があり、健康になれる気場です。
病人にとってはとくに良いと言われ、病人以外の一般の方にとっても、寝室にするのに最適です。
玄関が天医の家は健康な家となり、病人がいる家では玄関、寝室、リビングに天医があると非常に良いとされます。
また、天医は身体だけでなく心が屈折している人にも良い効果をもたらす力があります。
トラブルに巻き込まれやすい方は、天医にいれば早期解決の気を受けることができます。
生活を安定させることができるので、これまで努力しても報われなかったという方は、天医にいることで努力が報われるようになるでしょう。
消極的な方や物事を否定的にしか考えられない方の性格を再生させる力をもった気がある場です。
ただし、天医にトイレやバスルーム、キッチン、収納があると、その力が奪われてしまうので気をつけなければなりません。
延年(えんねん、中吉)
延年は、読んで字のごとく年を延ばすという意味で、寿命を延ばす気を持っています。
長寿を希望するなら延年を玄関にし、リタイヤして老後の夫婦生活の安定を求める方は、この気場を寝室にすると良いでしょう。
延年には財を延ばす、という意味もあり、富をもたらし家運を繁栄に導く気が延年には集まっています。また、すべてを調和させる、という生命場でもあり、人間関係を整える上でも有効です。
独身者の良縁、親子、夫婦関係の修復、仕事での人脈づくりに対しても良い生命場と言われています。オフィスでは、社長室、会長室、総務や経理にも適しています。
伏位(ふくい、小吉)
大きく発展するエネルギーはないですが、そこそこ良好な気を放っているのが伏位です。
伏位にいれば、安定と安心、落ち着きを得ることができ、小成功は収めることができるでしょう。
逆にいえば、伏位の場所が暗い、臭い、汚い状態であれば安定、安心は得られないということです。
しかし、安定はする反面大きな発展性もないので、これから成長しようとする子供がいる場所としては不向きです。
会社では、営業ではなく内勤の経理や総務などに向いている方位です。
絶命(ぜつめい、最大凶)
生命が尽きる、死の意味を表している絶命は最大の凶です。
絶命を寝室にしているととくに悪いとされ、病人がここで寝ていれば急死したり、病気がさらに悪化する可能性が高いといえます。
一家の大黒柱が絶命で寝たり、玄関が絶命にあれば良くないことが起こるし、会社の玄関が絶命にあれば、会社の経営状況は悪化します。
会社で自分の机が絶命にあれば、能力を発揮することはできなくなり、ピンチを招いたり、精神状態が悪化してノイローゼになることもあります。
できるだけ絶命を避けたほうがよいのは寝室、玄関、書斎、リビングです。
絶命はキッチン、バスルーム、収納などにするとよいでしょう。
しかし、これらの場所でも極力部屋を明るくし、天井から水晶を下げるなど、悪い気を最小限にする処置をとることをおすすめします。
五鬼(ごき、大凶)
五鬼は死者の霊と関わると言われており、先祖の霊が最も集まりやすいので、仏壇を置くのに適しています。
よく供養をし、仏壇をきれいにしていれば、先祖が守ってくれる良い場所となりますが、あまり供養をしなかったり、汚い状態であればノイローゼになるなど精神的に不安定になりやすいと考えられています。
また、仏壇がなくても五鬼が汚れていれば、ケンカや論争に巻き込まれたり、イライラしやすくなるので、気をつけなければならないでしょう。
玄関が五鬼であればその家から犯罪者が生まれやすく、寝室であれば精神不安定になりやすいです。
会社で五鬼に机があれば不満が数多く噴出し、人間関係が乱れたりして人事上で問題が発生するケースが多い気です。
子供部屋ならば親子関係が乱れてしまう危険性があります。五鬼はトイレやバスルーム、収納などにすればよいでしょう。
非常に悪い本命気場ではありますが、鏡を外に向けて取り付けておくと、邪気を反射させて良い効果をもたらすなど、対処方法もあります。
六殺(ろくさつ、中凶)
今は悪くなくとも、ゆっくりと悪いことが近づいてくる気が六殺です。
六殺にいると、わがままになりやすい、他人を傷つけやすいなどの邪気を受ける可能性が高いです。
自分の生き方をしっかりと持っていない人は邪悪な道に引っ張り込まれて、トラブルに巻き込まれる危険性もあります。また、その場所が汚れていればますます悪い気を強めていくことにもなります。
仕事の上ではイライラしてミスが多くなったり、コンピューターが故障したりしやすいでしょう。試験には最も弱い気場であるので、受験生の勉強部屋にしてはいけません。
六殺は収納に適しており、トイレやバスルームにすれば悪い気を弱めることができますし、邪気を外へ流し出すことができます。
禍害(かがい、小凶)
何事もおいても不安定、消極的になりやすい気場で、事故や災難にも遭いやすいので注意しなければなりません。ツキに見離されたり、人間関係のトラブルにも巻き込まれやすいので、玄関、寝室、勉強部屋には不適切です。
書斎や机の位置が禍害にあると、将来の計画が立たず不安が増大します。禍害が寝室ならば、身体のリズムも崩れやすく、体力の低下、慢性疲労に陥りやすいです。
禍害が汚ければ、悪い気はますますパワーアップしてしまいます。禍害は収納や倉庫にするなど、あまり活動的でない場所として使用すればよいでしょう。
臓器と感情との関係性―五行で心身を整える
中国においては、万物のエネルギーパターンは五つあると捉えました。
木・火・土・金・水の五つで、これを「五行」といいます。表のように東洋医学ではさまざまなものに五行を配しています。

この中でも特に建築医学において活用されているのが、「臓器と感情との関係性」です。
これをどのように健康改善に用いるかというと、例えば、肺は感情では憂いを支配しており、そのため肺の異常は憂いやすい性格をつくります。
また、悲しみすぎると肺に異常を起す原因となります。
肺の弱い人の住居は、憂いを取り除き、悲しみが癒されるように色や形、間取りを調整します。
さらに、表にあるように、五臓と五感とは対応しています。その部分をまとめると以下のようになります。
腎の経路―――――聴覚機能
肝の経路―――――視覚機能
心の経路―――――味覚機能
脾の経路―――――触覚機能
肺の経路―――――嗅覚機能
腎の経路は耳と通じています。聴覚機能が良くない方は、腎の経路に障害があるのです。腎の気の流れを良くすることで聴覚機能は高まります。
家においては、排水の状態が悪いと腎の経路が悪くなる傾向があります。
またトイレ、バスルーム、水まわり一切が住宅において腎の気とかかわっています。
視覚機能は肝の経路とかかわり、肝の気の流れが阻害されれば、免疫力が弱まってしまいます。
また、免疫力の低い方に、眼の弱い方が多く見受けられます。家においては、リビングルームが玄関近くにあり、インテリアが整っていることで免疫力が高まります。
住環境によって内臓の気を整える
内臓は気のエネルギーによって働いています。経路は配線図であり、気の流れが阻害されれば内臓の血液循環が悪くなり、体の安定度は低くなってしまいます。
足腰や下半身の病気がある場合は、腎臓経路(水)、肝臓経路(木)、脾臓経路(土)の気を阻害するものがあると推測されます。
手や腕をはじめとする上半身の病気は、心臓経路、肺臓経路がうまく働いていないことを示しています。
家における足腰、下半身にあたる場所は宅地です。どんな土地に家や建物を建てるのかによって、その状態が悪いと胃、肝、脾がうまく働かなくなる傾向があります。
土地の気が抜けていれば肝臓、脾臓が特に病気になりやすく、土地に湿気が多かったり、コケが生えていれば腎臓、脾臓の病気にかかりやすくなるのです。
また、基礎や床下の状態、床材、カーペット、水まわり、トイレ、バス、キッチンなどの素材、色、デザインなどが悪いと、肝、腎、脾、胃、膀胱、胆のうの気の流れを悪くします。
家における上半身にあたる場所は、立体的な部分、壁、玄関、照明、寝室など一切の空間であり、その状態や屋根や建物のカタチ、デザイン、色、素材などに関係しています。
例えば、廊下が暗かったりすれば緊張とストレスが起こり、心臓を弱めてしまう場合があります。
玄関の天井が低いと、肺の機能を弱めます。悪臭があれば脳の働きの障害となります。
照明が暗すぎると、眼と心臓、思考力が衰えてしまう傾向があります。
住環境によって腎臓の気を整える
漢方薬の7割が腎気を強くするものと言われています。その理由は、腎気は精気、スタミナとかかわっているからです。
精気とは足腰の力でもあり、足腰が弱ってくると共に精力を失い、生命力をもなくしてしまうのです。腎気が弱まれば足腰はだるく、重なってしまいます。
足腰の冷えるような家は腎気を奪います。特に子供のいない家庭や老人のいる家庭は、下半身が冷えない家をつくる必要性があります。
骨や間接が弱まってしまうのも、腎気が阻害されるような家に住んでいることが原因である場合が多いのです。
湿気の多い土地や寒々しいトイレやバスルーム、フローリングで床がひんやりしすぎる家、コケの生えている土地などは、住む方々からスタミナを奪ってしまい、家族全員の活動力を衰えさせることにもなりかねません。
身体的には丹田呼吸をし、家を建築する際には、足元を暖かくするような設計が必要です。家は基本的に、すべてにわたって温かみのあるように造ることです。
それによって腎気を良くすることができます。冷たいフローリングはノルアドレナリンを分泌させ、そこに住む人を無意識のうちに怒りっぽい性格にさせてしまうのです。
住環境によって肝臓の気を整える
肝の気の流れを阻害すると自律神経の動きや筋力が衰えていきます。自律神経の状態が悪ければ、神経異常となり、うつ病やノイローゼにもなりかねません。
リラックスできるバスルームがあり、ゆったり、のんびり入浴できる住居に住む方は肝の気が旺盛になり、自律神経系を安定させます。
バスルームの位置、状態が悪いと肝経路の気の流れを阻害し、ノイローゼ、神経病になりやすくなります。
温泉地に湯治にいくことは、ゆったり、のんびりできる大きな風呂に入れるので、神経障害に非常に効果的です。
一般家庭においては、これから建てる家は少しでもバスルームを大きくし、できたら木や石の風呂にすると良いでしょう。しかし石の場合は遠赤外線を多量に放つ薬石でなければ、かえって体を冷やしてしまうことにもなりかねません。
また、肝の気は免疫機能と直接かかわっていますので、肝の気を阻害する住居に住む方は免疫が弱りやすくなります。
肝の気を強める為には、広いリビングルーム、広くて暖かいバスルームにすることです。化学薬品を多く使った家は肝の気を阻害し、免疫機能を低下させます。
肝の気が乱れると筋力は弱まってしまうので、特にスポーツマンには注意が必要です。
住環境によって心臓の気を整える
血液循環は心臓の気とかかわっています。疲労回復の遅い方は、心臓の気の流れが必ず阻害されています。体内の疲労物質である乳酸は、血液循環が良いとあまり発生しません。
家においては、ベッドルームが心臓の気と強くかかわっています。
短眠が得られ、それでいてぐっすり、夢も見ずに眠る事ができれば、心臓の気の流れは良くなります。
ベッドルームの位置が悪かったり、ベッドカバーやシーツが強い寒色であったりすれば、心臓の気を弱め、疲労回復が非常に難しくなります。
住環境によって脾臓の気を整える
脾の気は環境の影響を強く受けます。脾の気は栄養を呼吸するエネルギーであり、活力の源(みなもと)的な働きをします。
物質の持っているエネルギーを吸収する力のある気が脾臓の気であり、この気が弱まれば体力はガクンと落ち、生きていく気力が失われます。
脾の気は唾液の分泌ともかかわります。唾液の状態が悪ければ、体内にエネルギーとして気を取り入れることはできません。
脾の気は胃の気でもあり、口と関わっています。家の位置でいうと、脾の気は中心点に対応します。その場の状態が悪ければ脾臓や胃をいためます。
また、ダイニングルームのデザイン、位置や色、素材は大いに脾臓と胃の気の流れを左右します。
ダイニングテーブルの色は茶系、土色系がよく、黒などは極力避けるべきです。
また、四角形より楕円形のテーブルのほうが脾の気を整える力があります。
リビングと胃とは関係していて、リビングが中心点にあることで、胃を活性化させます。
胃が丈夫な人は働き者となり、頑張りがきき、やがてそれが経済力を高める事につながります。それゆえ中心点がリビングにあると、経済力が高まるのです。
住環境によって肺臓の気を整える
肺の気は呼吸器全般とかかわっています。肺の気のエネルギーが阻害されれば身体の新陳代謝が悪くなり、精神的力も弱まります。
肺の気は特に精神安定力、物事の観察力、感情のコントロールにかかわっています。この気の流れが乱されると、心配や悩みがとたんに多くなってしまいます。
家においては、肺の気は天井の高低、壁紙の色や素材、空間の広さとかかわっています。これらの状態がよければ肺の気の流れは良好であり、身体の新陳代謝が高まり、精神は活性化することができます。
精神力を高めるには肺の気の流れを高めることが最も効果的です。創造性も高まります。
これらの五つの気が調和することで、心身ともに安定でき、方向性も間違わずに人生を送ることができるのです。
内臓、精神、住環境など、これらはすべてつながっているのです。すべてがひとつの流れの中にあります。
家においても、外観、各部屋の大きさ、間取り、デザインなどのバランスが取れていることが大切です。
喜びが過ぎると心をいため、怒りが過ぎると肝をいため、憂いが過ぎると肺と脾をいため、思いが過ぎると脾、悲しみが過ぎると肺、恐れや驚きが過ぎると腎が傷つけられる。
このように感情と内臓とはつながっているのです。
場の気を変えることによって心身の状態が変わります。
運とは、気が運んでくるもの
気分がよければ積極的になり、気分が落ち込んでいれば、何もしたくなくなるものです。心と体が気分によって支配される理由は、それらを結びつけているのが「気」だからです。
「気分」は気によって分かれると書くように、よい気を受ければ、心と体は軽やかになり、悪い気を受ければ、重苦しくなります。
「気持ちがいい」「気分がいい」と感じる住環境がポイントです。

そして、気が整い、よい気で満たされてくると「気づき」がやってくるようになります。
気づかないかぎり、人生は堂々巡りになり、次のレベルに行くことができません。
「わかっちゃいるけど、やめられない」という心の状態がありますが、これは気づきの浅さから生じるものです。
気づきが深くなり「このままではいけない」と強く思うようになれば、おのずと人生は変わります。この気づきは、不幸な事態を避ける力でもあります。
「運気」という言葉があるように、運と気には密接な関係があります。
運とは、気が運んでくるものであり、気が人間に取り込まれて変換されたものだと言えます。良い気が運ばれて幸運に・・・悪い気(邪気)が運ばれて不運に・・・
住環境の気を整え、よい気で満たし幸運体質になりましょう。
まとめ
さあ、あなたはどのように住環境の氣を整え心身の状態を変え、運氣アップしますか。
それが家族を守る家へと繋がり、家族の円満と健康と幸せに豊かに暮らせる大きな決め手となります。
これから土地の購入、住宅、マンションの新築、リフォーム、リノベーションをご計画の方に、ドクターズホームではより詳しくお伝えするために対面、オンラインどちらでもご相談承ります。
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出典
住んでいるだけで願望が実現する風水住宅の極意② 「健康と幸運を招く!」 住んでみたい風水住宅
著者 松永修岳
発行所 株式会社BABジャパン出版局
住んでいるだけで願望が実現する風水住宅の極意③ 「なぜ人は家を建てるのか? 幸せが宿る風水住宅」<インテリア・空間デザイン編>
著者 松永修岳
発行所 株式会社BABジャパン出版局
人生の流れを別ものに変える 風水の住まい
著者 松永修岳
発行所 株式会社 講談社
カラー方位版シートですぐにできる 風水鑑定教科書
著者 松永修岳
発行所 株式会社一光社
〈筆者プロフィール〉

長谷川仁龍
住まいのトータルコンサルタント。
株式会社ドクターズホーム代表取締役、
(一社)国際風水科学協会 副理事長
(一社)日本建築医学協会 副理事長
NPO法人日本自然素材研究開発協議会 理事シンガポール国立大学 LKY公共政策大学院地政学プログラム修了。
松永修岳大阿闍梨のもと、様々な加行を経て、伝法灌頂を授かる。
東京都吉祥寺にて前の歌舞伎座を手掛けた棟梁に大工として師事。
神社・仏閣・お茶室・一般住宅・RC造・鉄骨造・防音工事など、幅広く教えを乞う。
23歳で仁・幸夢店を設立、建築業を開始。
33歳の時余命を宣告され、真の健康住宅の必要性を感じる。
高性能・風水、建築医学、最先端の知識を活用し、住む人々が財・体・心の健康を整え、豊かな人生が歩める住まい創りのプロデュースを行う。
【主な著書】
『しあわせを育む風水健康と幸運を呼ぶ 家づくりの秘訣』
『しあわせになれる200年 健康エコエネルギーの家』
『家族が幸せになれるほんとうにいい家』
『100年長持ちするレンガ積みの家の秘密』
(以上、エール出版社)