住まいと健康〜運気と心地よさを高める住まいの形〜

住まいにおける「形」は、見た目の印象をつくるだけでなく、そこで暮らす人の心地よさや気持ちの安定、日々の過ごしやすさにも深く関わる大切な要素です。
外観の佇まいや屋根の形、室内に取り入れられた直線と曲線のバランスは、住まい全体の雰囲気を整え、暮らしの質にも影響を与えます。

住まいの形がもたらす意味や、心地よい住環境をつくるために大切にしたい「形」の考え方についてご紹介します。

運気が上がる形

家は、大きく捉えると天と地の間で、大地と大気から長年影響を受けながら佇んでいる存在です。
また家の外観は住む人だけでなく家族や友人、隣人にとっての「顔」であり、親しみやすさや町並みとの調和も大事なポイントです。
そして家の中に入れば、リビング、キッチン、寝室、廊下、トイレと様々な「形」に囲まれます。

いつも活気があり、人で賑わう家

地域の方が自然と集まり、いつもにぎわいと活気のある家があります。そうした住まいには、いくつかの共通点が見られるように感じます。

まずひとつは、玄関が道路側を向いていることです。
人が訪れる方向に玄関があることで、家に入りやすく、親しみやすい印象につながります。反対に、道路と逆の位置に玄関があると、少し足を運びにくく感じられることもあります。

もうひとつは、玄関と同じ方向に屋根の妻があることです。
つまり、天に向かって尖っている屋根の先端が玄関側に向いている形です。そのような家の玄関先に立つと、どこか伸びやかで、いきいきとした雰囲気が感じられると思います。

ドクターズホームでは、環境脳科学や建築医学だけでなく、古来からの知恵である伝統風水術の考え方も取り入れています。
伝統風水術が最も重要視している点は、「気」のよい場を選び、創り出すことです。

丸みと曲線がつくるやさしい空間

住まいの中で、形が与える印象は想像以上に大きいものです。
たとえば四角い形は整然とした印象をつくる一方で、角が多く、空間にやや緊張感を生みやすい面もあります。
これに対して、丸みのある形や曲線は、空間をやわらかく見せ、人の気持ちもほぐしやすくしてくれます。

例えば、多くの家では四角のテーブルを囲って団らんすることでしょう。
四角形には角があり、あらゆる角から人は鋭い気を受けています。
また四角である限り、対面か隣に座ることが指定され、コミュニケーションが硬直しやすくなります。

家族が円満であるためには、家に「丸」を取り入れていくことが大切です。
円形のテーブルは隣との線を引かず、対面も避け、自由なコミュニケーションを可能とします。

家の中にある直線と曲線のバランスも同様です。
人間を含む森羅万象は「陰」と「陽」で成り立っており、あらゆる二項対立のバランスをとると自然界と調和します。

人間の体は6割が「陽」、4割「陰」、それに反して現代の家は、部屋や階段、廊下と直線「陽」ばかりで構築されています。
様々な方法がありますが、家の中に「丸」や「曲線」(陰)を融合させると、住みやすさを実感することができます。
しかし、「丸」や「曲線」の建築物は、施工が難しく技術が必要です。

また、形にはそれぞれ異なる印象や方向性があるとも考えられています。
とがった形は外へ向かう強さを感じさせ、丸みのある形や半球のような形には、内側へやさしく引き込むような印象があります。

玄関まわりにアールのある意匠を取り入れたり、空間の一部に曲線を加えたりするだけでも、住まいの表情はぐっとやわらかくなります。

建物の形がもたらす気の流れ

建物の形には、それぞれ異なる気の流れや方向性があると考えられています。
たとえば、先のとがった三角形には、気を外側へ放つような性質があり、反対に、ドームのような丸みを帯びた半球形には、気を内側へやわらかく引き込むような性質があるとされます。
また、縦に伸びる細長い形には、上へ向かう伸びやかな気が生まれるともいわれています。

こうした考え方は、住まいだけでなく、店舗や人が集まる空間を考えるときにも参考になります。
たとえば、正面がとがった形の建物は、気が外へ逃げやすく、どこか鋭く緊張感のある印象を与えることがあります。そのため、お客さまを自然に迎え入れるというより、少し近寄りがたく感じられることもあります。
一方で、ドームのように丸みのある形は、内側へ引き込むようなやわらかさを持ち、人を受け入れやすい雰囲気をつくると考えられてきました。

伝統的な五行の考え方でも、木・火・土・金・水にはそれぞれ異なるエネルギーの方向性があるとされます。
木は上へ伸び、火は外へ広がり、土は渦を巻くように巡り、金は内側へ集まり、水は下へ落ち着いていく性質を持つとされ、こうした見方からも、形は空間の印象や気のあり方に影響すると考えられてきました。

このように見ると、建物の形は単なるデザインではなく、人を迎え入れやすいか、落ち着きやすいか、あるいは活気が生まれやすいかといった、空間の雰囲気にも関わる要素だといえます。

建物全体だけでなく、柱や開口部などにもその印象は表れます。たとえば、四角い柱には端正さがありますが、丸い柱にはやわらかさがあり、人が集まりやすい雰囲気につながるとも考えられています。

建物の形状

建物の形や屋根の形状によっても、住まいの安定感や気の良し悪しの特長があらわれます。
ひとつづつ形状をみていきましょう。

松永修岳氏著書 風水鑑定教科書より

L字型の建物

L字型は、財産やエネルギーが溜まらず相続運が悪くなる。長男が家を継がない、一代限りで途絶えてしまう可能性が高い。

L字型の建物は、家の中心が建物の外にずれやすい形とされています。
風水では、この中心を「大極」と捉え、住まい全体の安定に関わる大切な点と考えます。
中心が家の内側にきちんと納まらない形は、家全体のまとまりを得にくく、落ち着きに欠ける住まいになりやすいといわれています。
住まいでは、家族のつながりや継承の面に影響が出やすいとされ、オフィスや事業用の建物でも、長く安定して続いていく力を保ちにくい形として捉えられてきました。

ロの字型の建物

ロ字型は、中心が中庭になっている家やオフィスなどは真ん中で気が滞る。その建物は栄えることができない。

中心が庭や吹き抜けのように空白になるロの字型の建物も、注意が必要な形とされています。
中央が空いた状態になることで、家の真ん中に落ち着きが生まれにくく、気が滞りやすいと考えられてきました。
見た目には個性的で魅力的に映ることもありますが、住まい全体の中心に安定感を持たせにくい形といえます。

T字型の建物

T字型は、出っ張りがあると気が渦を巻く。そこに圧力がかかると物理的に弱くなる。家の中にも角ができ、殺気という悪い気が出て家が栄えない。

T字型の建物は、出っ張りや凹みが生じることで、気の流れに偏りが出やすい形とされています。
特に、くぼんだ部分には渦を巻くような流れが生まれやすく、その部分に圧力がかかると考えられてきました。
こうした形は、視覚的にも空間的にも落ち着きにくく、建物としての安定感を損ねやすい面があります。

コノ型・凹字型の建物

コ字型凹字型は、人間でいえば、腹がへこんだような形をして丹田力のない建物の相となり、運気が衰退する。

へこみ部分に気の渦が強く表れ、張り出し部分を押し広げて暴力的なエネルギーが起こり、住む方も対立心が強くなり対人関係が悪化したり、不安定さにつながるともいわれています。
この形の建物は災害が起こりやすい。上司とのトラブルが発生しやすく、いつも上下の争いが起こりやすいとされています。

三角型の建物

三角型は、気は外側に出すからよい気は入ってこれず、お客さんをはねのけてしまいます。

ドーム型建物

ド-ムのように半球的な物は、内側に引き込むという気の方向性を持ちます。

屋根の形状

松永修岳氏著書 風水鑑定教科書より

切妻・入り母屋

切妻、入り母屋は、住む人に創造性をもたらし、性格も安定して天に向かって気が伸びていきます。

切妻や入り母屋の屋根は、三角形の形を持つため、五行でいう「火」の性質と重ねて捉えられることがあります。
火の気エネルギーは、尖った頂点から外へ向かって放たれるように働くとされ、屋根の形としても、上へ向かって伸びるような印象を与えます。
そのため、切妻や入り母屋の屋根を持つ住まいは、活動性や創造性を引き出しやすく、住む人にも伸びやかで前向きな気配をもたらすと考えられてきました。
左右のバランスが整いやすいことも、安定感のある美しい外観につながります。

方形・寄棟

方形、寄棟は、住人の運勢も落ち着き波動が安定性に富んでいる。運気がよくなる屋根です。

方形や寄棟の屋根は、全体の重心が安定しやすく、落ち着きのある佇まいをつくりやすい形です。
気エネルギーの流れも偏りにくく、住まい全体に穏やかさや安定感をもたらしやすいと考えられています。
切妻のような伸びやかさとは少し異なりますが、外観としてのまとまりがよく、住む人が安心感を得やすい屋根形状といえるでしょう。
どっしりとした安定感を大切にしたい住まいには、相性のよい形です。

片流れ

片流れは、運気の好不調が出やすいです。

片流れ屋根は、シャープですっきりとした印象を与える一方で、屋根の向きによって気エネルギーの流れが偏りやすい形でもあります。
一方向へ流れる形であるため、建物全体とのバランスや方位との関係によって、印象や気配が大きく変わりやすいと考えられてきました。
そのため、片流れ屋根を採用する場合は、デザイン性だけでなく、住まい全体との調和や安定感にも目を向けることが大切です。
見せ方によっては非常に魅力的な屋根ですが、左右対称の屋根に比べると、やや個性が強く表れやすい形といえます。

陸屋根

陸屋根は、発展力が弱く二代目が力を持てず上に伸びようとする気がなくなってしまい、財運や想像力も乏しくなります。

陸屋根のようにフラットな屋根は、現代的ですっきりとした印象を持つ一方で、伝統的な見方では、気エネルギーが上へ伸びていく力が生まれにくい形とも考えられてきました。
屋根に傾斜や頂点がないため、エネルギーがぐるぐると巡るようになり、発展性や向上心がやや弱まりやすいと捉えられることがあります。
そのため、落ち着いた印象はあるものの、活動性や伸びやかさという点では、切妻などの屋根とは異なる性質を持つといえるでしょう。
住まいにどのような雰囲気を求めるのかによって、向き不向きが分かれる形です。

住まいの外観、内観の形によっては運気が上がる家と下がる家があります。住まう目的によって形が変わるといえるでしょう。

出典:「カラー方位版シートですぐにできる 風水鑑定教科書」著者―松永修岳/発行所―株式会社 一光社

形と配置が心身の安定を支える

背後が安定すると、気エネルギーも整いやすい

人は、背後に安定したものがあると、自然と落ち着きやすくなります。
たとえば、窓の近くで窓に背を向けて座ると、気エネルギーが乱れやすくなり、心身のバランスにも影響しやすいと考えられています。
逆光によって顔に影ができやすくなることも、陰気エネルギーの顔になりやすくなる要因です。

一方で、背後に壁のような高いものがあると、人は安心感を得やすくなります。風水では、出入口や窓は気の通り口とされ、そこを背で遮るような配置は、落ち着きを損ないやすいと考えられてきました。

風水には「背山臨水」という考え方があります。
背後に山のような安定した支えがあり、前面に水のような開けた広がりがあることで、安心感と安定が生まれるという考え方です。反対に、窓や入口のような“水”にあたる場所を背にして座ると、力を失いやすく、落ち着きを保ちにくいとされています。
そのため、デスクや椅子は、できるだけ背後を守れる位置に整えることが大切です。

デスクの位置は、集中力や安定感にも関わる

オフィスや書斎では、デスクをどこに置くかによって、仕事や学習のしやすさが変わってきます。

ドアに背を向けて座ると、背後から人が入ってくる気配を無意識に気にしやすくなり、身体は微妙な緊張を抱えやすくなります。
そのたびに、ノルエビネフリンというホルモンが分泌され、神経が興奮しやすくなるともいわれています。
こうした状態が続くと、不安感や落ち着かなさにつながり、気エネルギーが散りやすくなることで、集中力や作業効率にも影響を与えることがあります。

また、ドアと正面に向き合う配置も、あまり望ましくないとされています。
ドアの正面は「門沖」と呼ばれ、寝室でも布団やベッドをこの門沖の位置に置くのはよくないと考えられてきました。
東洋医学における経絡にあたる流れを遮ってしまうとされるためです。さらに、ドアは気エネルギーの入口でもあるため、真正面にいると気を直接受けすぎてしまい、落ち着きを失いやすくなります。

加えて、ドアの真正面は、入ってきた人の視線が最初に向かいやすい場所でもあります。
人の視線による圧を受けやすく、無意識のうちに疲れやすくなることがあります。ドアの近くは開閉の音や人の出入りの影響も受けやすく、気エネルギーが乱れやすい場所です。

デスクは壁の近くに配置し、背後を安定させながら、出入口と正面から向き合いすぎないよう整えることで、安心感を得やすくなります。

家もまた、背後の支えが大切

こうした考え方は、家全体にも通じます。
背後が高く、前面が低く開けている住まいは、安定感があり、気エネルギーも落ち着きやすいと考えられています。
反対に、背後が下がっていたり、玄関と反対側が道路や川に面していたりすると、支えが弱くなり、住まい全体の安定感を欠きやすくなります。

住まいの心地よさは、間取りやデザインだけでなく、こうした配置や周囲との関係によっても大きく左右されます。

玄関や食卓の形も、場の気エネルギーを左右する

形による働きは、玄関やダイニングのような身近な空間にも影響を与えます。

たとえば、正面玄関がまるくアール型になっている店舗やオフィスには、人を引き込む力があると考えられています。
円の形には、気を中心に集める作用があり、空間にやわらかさや親しみやすさをもたらします。
そのため、玄関が細長すぎたり、圧迫感のある形になっていたりすると、入りやすさや居心地にも違いが出てきます。
玄関がどのような形をしているかを観察することで、その場の持つさまざまな特性も見えてきます。

ダイニングテーブルも同じです。
角のない円卓のような形は、気が中心に集まりやすく、会話が弾みやすいとされます。家族が自然に向き合いやすくなることで、親子の関係も円満に向かいやすくなります。

また、ダイニングルームに暖色系の色を使うと、あたたかみのある雰囲気が生まれ、食欲を増進させる効果も期待できます。
反対に、食べ過ぎるきらいがある場合には、寒色系や暗めの色を取り入れることで、空間の印象を落ち着かせることができます。

さらに、ダイニングルームの位置は、身体において胃腸、消化器系に対応すると考えられています。
そのため、この場所が暗い、落ち着かない、居心地が悪いといった状態になっていると、胃腸、消化器系にもよくない影響が及ぶと捉えられてきました。
毎日食事をする場所だからこそ、形や色、そして空間全体の心地よさを大切にしたいものです。

病は家から

こうした形や配置の積み重ねは、単に気分や印象の問題にとどまりません。
住まいから日々受け取る視覚情報や空気感は、心身の状態にも少しずつ影響を与えていきます。

病気は突然襲ってくるものと考えられていますが、これには長年蓄積されている原因があります。

この原因を引き起こしている多くの種が、家の中にあると見定め、住環境の改善を研究しているのが建築医学です。

心理学では、顕在意識に対して、潜在意識(無意識)が占める割合が95%にも及ぶことがわかりました。
その中でも視覚の情報量は全体の約80%となるため、家の視界から受けている情報は極めて重要です。

まとめ

住まいの「形」は、外観の印象を左右するだけでなく、そこに流れる空気感や、住む人の心の落ち着き、暮らしやすさにも関わる大切な要素です。
建物の形状や屋根の形、室内における直線と曲線の取り入れ方によって、住まいが与える印象や心地よさは大きく変わってきます。

とくに、調和のとれた形や、やわらかさを感じさせる曲線を取り入れた住まいは、空間にやさしさや安らぎをもたらし、家族が自然体で過ごしやすい環境づくりにもつながります。
見た目の美しさだけでなく、住むほどに心地よさを感じられることも、住まいの形に求められる大切な価値といえるでしょう。

ドクターズホームは、家族の円満と健康で幸せに暮らせる住環境をご提案しています。

これから土地探し、住宅、マンションの新築、リフォーム、リノベーションをご計画の方に、ドクターズホームではより詳しくお伝えするために対面、オンラインどちらでもご相談承ります。
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〈筆者プロフィール〉

長谷川仁龍


住まいのトータルコンサルタント
株式会社ドクターズホーム代表取締役
(一社)国際風水科学協会 副理事長
(一社)日本建築医学協会 副理事長
NPO法人日本自然素材研究開発協議会 理事
シンガポール国立大学 LKY公共政策大学院地政学プログラム修了
松永修岳大阿闍梨のもと、様々な加行を経て、伝法灌頂を授かる

東京都吉祥寺にて前の歌舞伎座を手掛けた棟梁に大工として師事
神社・仏閣・お茶室・一般住宅・RC造・鉄骨造・防音工事など、幅広く教えを乞う
23歳で仁・幸夢店を設立、建築業を開始
33歳の時余命を宣告され、真の健康住宅の必要性を感じる
高性能・風水、建築医学、最先端の知識を活用し、住む人々が財・体・心の健康を整え、豊かな人生が歩める住まい創りのプロデュースを行う

【主な著書】

『しあわせを育む風水健康と幸運を呼ぶ 家づくりの秘訣』
『しあわせになれる200年  健康エコエネルギーの家』
『家族が幸せになれるほんとうにいい家』
『100年長持ちするレンガ積みの家の秘密』
(以上、エール出版社)